そのへんのちらしのうら

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【旅行記】『君の名前で僕を呼んで』ロケ地巡り2019 3日目・4日目

3日目

3日目は徒歩で行けそうな場所を攻めることに。

天気は少し回復して、曇りのなかに晴れ間が時折差すぐらいになりました。

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前日にシティ・センターでもらった地図とグッズ

 

「秘密の場所」を探して

午前の目的地は、作中エリオが「秘密の場所」としてオリバーと連れだって行っていた泉の場所。

(前日に行った観光センターのスタッフの方は「二人のファーストキスの場所だよ!」と若干テンション高めに紹介していましたね……)

ちなみに、「秘密の場所」は「Fontanile Quarantina」という場所なのですが、Google Maps上でもかなりわかりにくく、下記の図の辺りです。

Maps Meのアプリのほうが場所と細い道がわかりやすいので、実際にいくときはそちらでGPSとともに確認しつつ向かうのがおすすめです。

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Capralbaへの経路

 「Fontanile Quarantina」の最寄り駅はカプラルバ(Capralba)。かなり小さな駅です。

クレマの駅からは14分と近いですが、1時間に1本なので時刻表はチェックしましょう。

 

さて、カプラルバの駅を出て東の道へ。だいたいこんな感じの道をひたすら歩きます。

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 ごく稀に人と車にすれ違い、遠くに生活の音が聞こえるかしらという程度。自然に囲まれた田舎町です。

それで、次のモニュメントと看板が見えたら交差点を右折。

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 車道からそれて、こんな感じの畦道をさらに歩きます。

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 駅から歩いて約30分くらい経つ頃、田園のなかに木立が見えます。

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 「Fontanile Quarantina」の看板があるので、そこから木立のなかに踏み入ると、 

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秘密の場所(Fontanile Quarantina)

ここです。

水がとても透き通っていて、静謐な場所。

もう少し晴れて木漏れ日が瑞々しいであろうタイミングで訪れてみたかったですね。

(それにしても、クレマの街からここまで本を読みに来ていたというエリオは自転車とはいえ結構体力あるな……)

カプラルバへ行くときは事前に往復券を買っておこう

カプラルバの駅は無人駅です(少なくとも2019年4月の段階では)。

駅に併設されたバールはあるのですが、切符の販売はしていないようでした。

クレマの駅で復路の券を買っておくのを忘れたため、かなり焦ったのですが、店内にいた初老の男性に拙いイタリア語で尋ねたところ、

「列車に乗っている係(検札の人)から買えばよい」

らしい、ということが分かりました。

ただ、あまりに不安だったので、同じタイミングでホームにいた現地の家族連れに手伝ってもらい、最終的には無事に検札係から切符を買ってクレマに帰ることができました。

そういうわけで、カプラルバをはじめ、小さな駅に立ち寄る場合は事前に往復券を購入しておいた方が無難だと思います。

 

水浴場へのそれなりにハードな道~Google Mapsの経路をちゃんと歩こう~

午後。ホテルで一休みしたあと、水浴場(Laghetto dei Riflessi)へ向かうことに。

Google Mapsの経路上は約5.4km、歩くと1~1.5時間くらい。

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水浴場までの道程

クレマ市街地からセリオ川にかけられた橋を渡り、いざ。

基本的に車道脇の歩道をはじめは行くことになります。

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(左)前日まで雨だったため、増水中の川。

(右)道中見かけた藤の咲き乱れる家。この時期、ミラノも含め見事な藤を庭や垣根に咲かせている民家をよく見かけました。

 しばらく歩き、マリアとキリストの絵が壁面に描かれた教会が見えたら左へ。

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ここから先も、Google Maps上の経路を素直に行けばよかったんですがね……。

Maps Me上に車道の経路とは別に川沿いの細い道が示されており、それが遊歩道になっていたので、うっかり入り込んでしまったわけです。

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最初はこんな感じで、のどかな田舎道といった様相。鳥の鳴き声も聞こえてよい雰囲気なんですね。

しかし、だんだん道が細くなり……

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これより細くなります。というか、倒木もあって道が途中からわからなくなりました。

なんとか藪のなかから道っぽいものを探し、ぬかるんだ地面をひょこひょこ歩いて、GPSを頼りに最終的には本来のルートへ戻れたのですが、たぶんここで迷っていたことで20分くらい消耗したんじゃないでしょうか。

 

もしかしたら、時期によっては整備されているのかもしれませんが、水浴場へはGoogle Maps上の経路を素直に行った方が絶対にいいです。

皆様お気をつけて。

 

無事に開けたルートに戻り、今しばらく歩きます。

この教会が見えたら、左の道へ入る。水浴場へはあと少し。

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木立を抜けた先に、不思議な色合いの碧が広がります。

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水浴場

このときは誰もいませんでしたが、現役のレジャー地のようでしたので、シーズンが来たら地元民が遊びに来ているのかも知れません。

ちなみに野ウサギも見かけました。写真撮ろうとしてもすぐに逃げられてしまいましたけどね。

 

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帰り道。この頃になると、晴れ間が広がり、歩いていて汗ばむようになりました。今度はきちんとGoogle Mapsにしたがい、まともな道を歩きます。

ちなみに、基本的に通行量は少ないものの、

 徒歩(自分のみ)<自転車(10人くらい)<<<<<<<<<<自動車(数十台)

という割合でしたので、交通安全には十分気をつけてください。

自分は徒歩でしたが、天候が安定していて、レンタル自転車を調達できれば、気持ちのよいサイクリングが楽しめそうですね。

おまけ

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行きで見かけた謎のブリキたち。

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帰りに見かけた可愛らしい光景。住民の誰かが飾ったのでしょうか。

 

シティ・センターにて映画の面影を探す

水浴場までの遠出でかなり消耗しましたが、前日はあいにくの雨であまりゆったり回れなかったので、もう一度シティ・センターへ。

 (※なお、2日目と3日目の写真が混じっています)

 

市街地を貫くメインストリートの東端、セリオ門(Polta Serio)より入ります。

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クレマのメインストリート。カフェやバール、ジェラテリアのほか、ファッション系の店舗が目立ちます。お洒落な店舗も多かったので、ショッピング楽しむのもよさそうですね。

このときは晴れた金曜日の午後3時過ぎということもあり、前日よりも人の賑わいがあり、いかにも週末のリラックスした空気が流れていました。

クレマの町並みで目立つのは、城壁や中世建築の赤煉瓦と、くすんだパステル調の外壁。午後の日差しが、柔らかく街の色調を浮き立たせるのが素敵でした。

 

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石畳の向こうに見える、シティ・ホールの時計とアーチ。

そして、着きました。

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例の広場

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例の本屋

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例の自転車(?)

とりあえずシャッターを押す機械と化す。

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マルツィアとデートしていたところ。

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このブソー通りのあたりは映画のなかのいくつかの場面で出てくるようです。

なお、中央の建物ですが、広場のようになっており、若いカップルが何組か語らっていました。このへんデートしてる子たち多いんですよねー。

 

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カテドラルをドゥオーモ広場から。午後の西日を浴びた姿が美しいですね。

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日本だと真っ昼間くらいの明るさが、イタリアだと午後2~5時くらいにあたるんですよね。

伸びる影の長さはたしかに午後深くだけれど、そのコントラストの強さに、たしかに映画の切り取った初夏の面影を見ました。

 

イタリアの光

『CMBYN』とは関係ないのですが、時間が合ったのでクレマ郊外のサンタ・マリア・デ・クローチェ教会にも足を伸ばしました。

ここもとても素敵な教会でした!

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サンタ・マリア・デ・クローチェ教会からの帰り。これで午後5時というのがなかなかに信じがたい。

 

今回、実際に現地に行ってみてよかったなと感じたことの一つは、イタリアらしい日差し、光のありようを体感できたことです。

くすんだパステル調の町並みが、少し黄色みのある日差しを浴びると、ぱあっと輝くように映えるんですよね。

その様が本当に素敵で、この光景を見ることができて、感じることができて幸せだなあと思いました。

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ホテルの窓より夕暮れの市街地を臨む

 

4日目

この日はもともと特に予定を立てず、ミラノへ戻る移動がメインの日だったのですが、なんとなく名残惜しく、朝食後、荷物を預けて昼頃までクレマ市街を歩き回ることにしました。

休日なので、午前中から賑やか。

メインストリートからは外れて、主に市街を囲む中世の城壁の外を歩きました。 

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城壁の外の濠

城壁の外の濠。風に花びらがはらはらと舞ってとても美しい。

こんなふうに、クレマはあちこちで花が咲き、ときおり野鳥も見かけるような自然を身近に感じる街でした。

グァダニーノ監督は、自然に囲まれた環境とクレマのゆったりとした生活の空気を気に入ったそうですが、本当にその通りだと思います。

 

以上、クレマ滞在。明日はシルミオーネ。